かっぱのあしあと

1904年祈りの旅 

内山晟先生の日本平動物園での撮影会はお昼から。
でも駐車場には朝一で入って、先にもう一つの目的地へ向かいました。
動物園の裏手にある、静岡県内で唯一残る外国人宣教師の自邸
「旧エンバーソン住宅」です。

カナダから日本へ来た宣教師ロバート・エンバーソン氏は、
当初現在の「西草深」と呼ばれる駿府城公園の西側に住まいを構えました。
明治37年、1904年ですから今から110年も前のことです。
エンバーソン氏自身は5年ほどしか住まなかったのですが、
その後他の宣教師や牧師らが代わる代わる住んでいました。

ここしばらくは住む人もなく、廃墟と化していたところ
新しい教会の建設のため解体されるところでした。
しかし戦火を逃れた貴重な明治の建物でもあったことから
静岡市が買い取り、現在の場所に移築しました。
現在は静岡市指定有形文化財として大切に保存されています。


2014102901.jpg
2014/10/25 10:34 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当 絞り優先AE(f/4.0 1/8000秒 -1.3EV) WB:5300 ISO:200 Vintage

同じく静岡市に残る洋館「旧マッケンジー住宅」に比べると、
宣教師ということもあってか地味で落ち着いた雰囲気が印象的です。
材料はカナダから持ち込まれましたが、階段は日本の檜財、屋根は瓦が使われています。
シンプルながら洋風のおしゃれなデザインは素敵ですね。


2014102902.jpg
2014/10/25 10:19 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当 絞り優先AE(f/2.8 1/60秒 -2.3EV) WB:5000 ISO:200 Vintage

屋内の家具はほとんどが撤去されてしまったものの、左下に見える
大きな鏡台のような家具は110年前から保存されているそうです。
実は靴箱で、腰掛けながら靴を履きそのまま鏡でチェックできます。
そっと歩いてもギシギシと鳴る床に注意しながら散策しました。


2014102903.jpg
2014/10/25 10:23 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当 絞り優先AE(f/2.8 1/60秒 -1.7EV) WB:4800 ISO:400 Vintage

このピアノは110年前のものではありませんが、あまり広くはない
居間に置かれた存在感はとても雰囲気に似合っています。
奥に見える窓には面白い仕掛けがあるのですが、
詳しい話はまた次回にでも。


2014102904.jpg
2014/10/25 10:24 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当 絞り優先AE(f/2.8 1/80秒 -1.3EV) WB:4800 ISO:200 Vintage

洋風の建物らしいアーチを持つ扉ですが、なんと日本風の引き戸です。
しかも右側に見える白い部分は襖用の和紙が使われています。
左にある暖炉は復元されたもので、この奥に煙突があったそうです。
煙突はこの家の中心にあり、煙突を囲むように部屋が配され
それぞれの部屋に暖炉がある珍しい構造をなしています。


2014102905.jpg
2014/10/25 10:12 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
24mm相当 絞り優先AE(f/2.8 1/80秒 +0.0EV) WB:5300 ISO:250 Vintage

貿易商の旧マッケンジー住宅は、オフホワイトとマリンブルーの華やかな
コントラストがとてもキレイでしたが、こちらは至ってシンプルです。
あちらはウィリアム・ヴォーリズのデザインでかなり凝った造りだし、
そもそもこちらの方が36年も前に建てられたのですから当然かも。
でもなにか落ち着けるし、心地よい空気を楽しむことができます。

ぜひ動物園を訪れた際には足を運んでみてください。
係りの方が詳しく解説してくださるのでとても参考になります。


土・日・祝日のみ公開 9:00~16:30(無料)
駐車場なし(動物園の駐車場を利用)
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はんべさん

外観も室内も和洋 それぞれの良さを活かしていますね

二枚目のお写真
俯瞰撮影された階段
左手 二階の廊下の手すりが入れ込まれています
階段が吹き抜きになっていて 開放感があることが理解に及びます
魅惑的な階段ですよね

四枚目のお写真
アーチにある 引き戸 珍しいですよね
その先にある部屋
上げ下げ窓が見えます
この窓のガラスも障子風になっています

素晴らしい洋館ですよね
解体破棄など とんでもないことです

横浜山手の洋館 思い出しました
やはり 横浜市で保存している洋館7館があります
横浜市や静岡市歴史ある建物保存管理
評価したいです

香月 りら #sSHoJftA | URL | 2014/10/30 20:57 * edit *

Re: はんべさん

> 魅惑的な階段ですよね
本文にもありますが、この階段だけは日本のヒノキを使っています。
他の木材の部分と色合いが異なっているし、ひときわ艶が際立ちます。
昔は今のように照明も明るく無いので、床という床も磨きこまれて
わずかな光を反射するようにできていたりと至る所に
永い時間の積み重ねと集う人々の息吹を感じました。

> アーチにある 引き戸 珍しいですよね
こじんまりとした建物のため、必要以上に厚い壁を設けていません。
そのため、日本のような襖を真似た薄い引き戸で仕切っています。
和紙は張り直していますが、静岡県内特産のもので
独特の風合いとしっかりとした質感が印象的でした。

> やはり 横浜市で保存している洋館7館があります
横浜や神戸などのような、海外との門戸になっていた街には
たくさんの洋館があって大変羨ましく思います。
静岡市は大空襲にあって大半の旧い建物が焼失しました。
それだけにこういった昔の建物が残っているのはとても嬉しいです。

ただ、現代の私たちが残した建築物は100年を超えて生き残れるでしょか。
東京タワーも老朽化で鉄板の落下事故がありました。
東京駅は残されたものではなく復元されたものです。
「箱物」とか橋やダムなどの公共工事の異物は、決して美しいとは思えません。
現代は古いものを壊すことで前に進もうとしています。
過去は学ぶべきものであって、棄て去るものではないと思うのですが。

はんべ #- | URL | 2014/10/30 22:33 * edit *
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