かっぱのあしあと

まるっと深い 

「春が深まる」「夏が深まる」「冬が深まる」とは言いません。
どんなに暑くても寒くても深まることはありません。
秋だけが「深まる」と言うのはなぜでしょう。
諸説あるようですが、日本人特有の季節感に由来するようです。

今日は「秋分の日」
春分の日と同様、年によって変わる可能性のある祝日の一つです。
年によって変わるというのは、太陽が秋分点を通過する日という
天文学に基づいて日が決められるためです。
秋分点を通過する日は前年の2月初めに官報で発表されるため、
発表する年の2年後以降の秋分の日は決まっていません。

天文学上の秋分点通過日はわかっているものの、政府の発表がないと
決められないのはカレンダー業界などで困るそうです。
もっとも天文学と官報に差異が生じたためしはないとかなのですが。

そして今日は「彼岸の中日」でもあります。
先祖に感謝し敬うための彼岸ですが、ちょうどこの時期に咲く
彼岸花は水田風景を一変させるほど鮮やかな紅色が目に付きます。
元々は毒性があるのでモグラなどを近づけないように
墓地や水田の畦道などに植えられたと聞きます。

この彼岸花は種を付けない三倍体のため、もっぱら株分けで広まったとされます。
だから日本中に分布する彼岸花は、ほぼ全て同じ染色体を持つクローンです。
人間が全てクローンだったらどうなっていたでしょうね^^;


2014092301.jpg
2014/9/22 11:37 Nikon D600 + AF-S 24-85mm F3.5-4.5 VR
24mm 絞り優先AE(f/11 1/160秒 -0.7EV) WB:5200 ISO:200

浜名湖の北東にある「久留女木の棚田」も実りを迎えました。
ゆっくりと雲が流れる秋の空と穂を重そうに垂らす稲はまさに日本の原風景。
静岡県内には数少ない棚田は多くの人々の手で守られています。


2014092302.jpg
2014/9/22 10:05 Nikon D600 + AF-S 70-200mm F4 VR
98mm 絞り優先AE(f/4 1/250秒 +0.0EV) WB:4500 ISO:100

地元の小学生に管理される水田も色付き始めています。
所々に朱色を差す彼岸花は段を重ねる水田のコントラスト。
受粉もしないのになぜこんなに艶やかな花を咲かせるのでしょうね。


2014092303.jpg
2014/9/22 10:24 Nikon D600 + AF-S 70-200mm F4 VR
200mm 絞り優先AE(f/4 1/1250秒 -1.0EV) WB:5000 ISO:200

花の高さはどれも膝の辺りに咲くので、目線を合わせるのは大変です。
それでも棚田は段差があるため、ちょっと腰を屈めれば
花の高さに合わせてカメラを構えることがしやすいのがいいですね。
もっとも、それすらやや苦痛になりつつありますが^^;


2014092304.jpg
2014/9/22 10:36 Nikon D600 + AF-S 24-85mm F3.5-4.5 VR
24mm 絞り優先AE(f/22 1/200秒 +0.7EV) WB:4500 ISO:400

秋の空を背に陽光を受ける彼岸花はとても見応えがあります。
棚田の下の段に這いつくばりながらアングルファインダーを覗きます。
絞り値を大きくして光芒を出し、太陽の位置を微調整しながら
何度もシャッターを切ってはモニターを確認。
「巾着田」のような場所では難しい芸当でしょ。


2014092305.jpg
2014/9/22 12:03 Nikon D600 + AF-S 70-200mm F4 VR
145mm 絞り優先AE(f/4 1/1000秒 -0.7EV) WB:6000 ISO:200

秋になると一気に気温が下がります。
周りの色彩も大きく変化し、寒い冬へ転がっていく哀愁を醸します。
秋だけが「深まる」のは、日に日に季節感が大きく変化すること、
そして来たる寒い冬を予感させるところからの表現ではないかと思います。

木々は緑から赤や黄色へ、そして葉を散らし枝だけの世界へ。
この時期だけの「秋の実り」に親しみ、収穫に感謝して祀りに心躍る。
本当は春よりも楽しい季節なのかもしれません。
でも短いんですよね、それと「秋休み」も欲しいし。

今日は何処へ行きますか。
「小さい秋」は見つかるでしょうか。

関連記事
スポンサーサイト

[edit]

はんべさん

彼岸花もソメイヨシノと同じく クローンだったのですね
棚田にあるこの花
それは本来の姿なのでしょうね

「受粉もしないのになぜこんなに艶やかな花を咲かせるのでしょうね」
この花を見る度 思います
妖艶な大人の女性を・・・それでいながら気品を保っています
三枚目のお写真に一際 それを感じます
「巾着田」には行く予定ですが・・・
一度も行ったことがないので見学気分です
私には 到底表現出来ない 難しい花に感じます
撮影は 二の次と考えて 彼岸花の群生を鑑賞してきますね
「巾着田」の彼岸花はそんな鑑賞用の人の手入れが行き届いた
公園だと承知しています

香月 りら #sSHoJftA | URL | 2014/09/23 19:49 * edit *

Re: はんべさん

> 彼岸花もソメイヨシノと同じく クローンだったのですね
中国から持ち込まれた意味では「外来種」なんですね。
でも幸いにも実害がないのでこれほど繁殖できたのでしょう。
何より花の少ない時期に貴重な色彩は嬉しいです。
クローンのためか一斉に咲いて一斉にあせてしまうので
見頃を数日でも外すとガッカリなんですよね。

> 「受粉もしないのになぜこんなに艶やかな花を咲かせるのでしょうね」
> この花を見る度 思います
彼岸花にはあまり虫が近寄らないのですが、大きなクロアゲハなどは見かけます。
真っ赤な花に真っ黒な蝶の取り合わせは艶やかで見応えがあります。
同じように種を作るためでないのに美しい花を咲かせる植物は
少なくないのですが、なぜ花を咲かせるのかいつも不思議に思います。

> 「巾着田」には行く予定ですが・・・
「巾着田」で画像検索すると似たような光景が沢山出てきます。
一面真っ赤な彼岸花の群生なので、どうしても同じような
作品になりがちで、いかに個性を出すかは難しいかも知れません。
じっくりと彼岸花を向き合うことで素敵な瞬間を得られると思います。

はんべ(hanbe) #- | URL | 2014/09/23 20:58 * edit *
Secret

トラックバックURL
→http://kappahanbesuki.blog94.fc2.com/tb.php/922-ce3ced4a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)