覆水
当初はベネッセ単体の「不祥事」かと思われたものの、
次第にジャストシステムはじめ、多くの業者や人物が
関わっていたことが分かり、漏洩した張本人が判明しました。
その理由は個人的なギャンブル資金。
あまりにも短絡的な犯罪にあきれるばかりです。
盗まれた個人情報の多くは、レジャー施設などでのアンケートを
集積したものと言われていますが、アンケートの回答者が
2000万人もいたとは到底思えないことからも、ベネッセ自体も
名簿業者からのデータを購入していたのではないかと思われます。
かつては名簿業者と言えば沢山の本棚に所狭しと並べられた
文字通りの卒業者名簿や行政機関から写し取ったものから選び、
手作業で必要な項目を書き写していたものでした。
その後そういった業者へ消費者金融の利用者やゴルフ会員権の名簿などが
持ち込まれ、悪用に使われるようになっていきます。
今日では、TVCMや折込チラシより遥かに効果的で効率的な媒体として
ダイレクトメールでの勧誘が盛んに行われるようになりました。
そのためには対象となる人の個人データが重要度を増します。
子供の場合には、将来にわたって様々な消費の対象となるため
より高い価値で売買されていたそうです。
私自身や会社の同僚らにも、旧い社員名簿を元にマンション投資会社
(実際にはその下請けの電話勧誘業者)などから連日電話がかかってきました。
何度断ってもしつこく勧誘し、時には自宅にまで繰り返し電話が来ました。
今のマンションバブルが下火になれば、またやってくるんだろうなと思います。
つまりは社内あるいは退職者に、名簿を売った人物がいるわけです。

2014/7/14 9:24 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
208mm相当 絞り優先AE(f/3.2 1/250秒 -0.7EV) WB:4500K ISO:640 Natural
雨滴を溜めた葉が、重みや風で傾くと一気に水を落とします。
そろそろこの葉が零れるかなとカメラを向けたものに限ってなかなか零れない。
で、周りの他の葉で一斉に音を立てて水が零れたりしています。
こちらの思い通りにならないあたりが自然なんでしょうけどね。
一旦零れると再び雨が降るまでこのチャンスはありません。

2014/7/14 8:04 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
80mm相当 絞り優先AE(f/2.7 1/250秒 -1.0EV) WB:4500K ISO:200 LightTone
草むらに目をやりながらゆっくりと歩きます。
蜘蛛や蝶など様々な生き物が雨を凌いで息づいています。
足元にわずか1センチに満たないバッタの赤ん坊が顔を覗かせています。
カメラを向けるとジャンプすることなく、少しずつにじり下がっていきました。

2014/7/14 9:42 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
260mm相当 絞り優先AE(f/3.3 1/320秒 -0.3EV) WB:6500K ISO:800 ToyPhotoII
雨粒が止んで静まった水面に映りこむ花もとても美しいです。
アメンボが波紋を立てない間にじっくりとPLフィルターを回して
反射具合を加減しながらファインダーに集中しました。
次の瞬間、花びらから落ちた水滴が波紋を描きます。

2014/7/14 10:21 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
100mm相当 絞り優先AE(f/2.8 1/800秒 -1.0EV) WB:4500K ISO:200 ToyPhoto
根元から折れて、どこからともなく流れてきた葉には
清廉な雨水とひとひらの花びらが添えられていました。
やがて朽ち沈んで行くまでの短い時間を惜しむかのようです。

2014/7/14 7:17 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
400mm相当 絞り優先AE(f/3.5 1/1000秒 -1.3EV) WB:5300K ISO:200 ToyPhotoII
水辺の宝石と言えばカワセミですが、
鳥撮りが苦手な私にはこんなチョウトンボが癒してくれます。
陽が高くなって暑くなると、黒い羽根が熱を持つので飛び回るため
なかなかこうして止まってくれないのですが、朝の時間帯なら
トンボもどこかノンビリしている気がします。
今回の「事件」に限らず、これまでも個人情報の流出はありました。
その度に会見で頭を下げる同じ光景の繰り返しです。
しかし一旦流出してしまった情報は、事実上二度と消し去れません。
個人情報保護法は名簿業者、しいては個人情報を「無断で」利用する
多くの企業を保護するもので、個人情報は保護してはくれません。
流出した個人情報が原因となって、強引な勧誘や不要な買い物を
強いられる消費者は恐らく集計しきれないほどの数だと思われます。
しかし流出させた企業は、そういった被害に対して補償することはありません。
因果関係を否定されれば、消費者側が立証するしかないのですが、
それも実際には不可能に近いものだと思われます。
会見で謝ればその場は凌げる。
でも責任は取らないし損害も補償することはありません。
今回の一件でも、ベネッセは一時的に多少の痛手をこうむるでしょうが
熱心な利用者や事業を支えてきた関係者などがいることからも
恐らく今後も事業は継続されるでしょうし、一旦流出した個人情報は
ほぼ永久に日本中を回って浸透していってしまうでしょう。
会社でも学校でも名簿を作らなくなりました。
年賀状を出したくても宛先が分からない、非常時にも連絡が取れない。
自転車にも名前を書かない、子供にも名札をつけない、
知らない人には名前も言わない、アイデンティティのなくなった
人間たちが静かに息を潜めて暮らすしかないのでしょうか。
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