かっぱのあしあと

天空からの襲来 

台風は上陸前に凄まじい被害をもたらしたものの、
九州通過後は一気に衰えて、「直撃」というほどの被災はなかったようです。
今朝は大雨を恐れながら雨戸を開けようと触ったとたんに
火傷しそうになるほどの陽射しと青空に驚いた次第です。
予想したほどの風もなく、これなら早起きして「朝飯前ショット」もよかったかも。

前回はまさに雨上がり直後だったので、沢山の水玉に浮かれてしまいました。
できれば時々ポツポツと雫が降ってくれるくらいの方がさらに理想です。
朝露の水滴も素敵ですが、雨上がりもまた違った趣があります。
朝露は空気中の水蒸気が草や花の表面で凝結してできます。
だから比較的綺麗な丸い玉になることが多く、
朝陽が当たるとキラキラと輝いて宝石のように美しい光景になります。

一方で雨は上空数百~数千メートルの高さから落ちてくる水滴です。
空中では「アンパン」みたいな形をしながら落ちてくるそうですが、
地上の対象にぶつかって小さな水しぶきになって飛び散ります。
だから大きさも形も不規則で、撥水性の高いものでない限り真ん丸な
玉にはなりにくいため、見た目には朝露ほど美しくないかもしれません。

でもその不規則さはむしろ「自然」であって、葉や花ごとに異なる水玉は
それぞれの個性とか、生命感すら感じさせてくれるものです。

2014071101.jpg
2014/7/7 9:19 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
400mm相当 絞り優先AE(f/3.5 1/400秒 -0.7EV) WB:4500K ISO:320 Natural

足元ではあちこちで盛んに蜘蛛が巣をゆすって水玉を落とそうとしています。
小さな「精霊飛蝗(ショウリョウバッタ)」がじっと草に紛れて息を潜めています。


2014071102.jpg
2014/7/7 9:14 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
400mm相当 絞り優先AE(f/3.5 1/400秒 -1.3EV) WB:4500K ISO:400 Natural

まだ陽射しのない雨上がりには、トンボも勢いがありません。
羽根が乾くのを待って飛び立ちの時を迎えようとしています。


2014071103.jpg
2014/7/7 8:43 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
144mm相当 絞り優先AE(f/3.5 1/200秒 -0.7EV) WB:4500K ISO:200 ToyPhotoII

でもいち早く活動し始めていたのが蜜蜂たちでした。
この時期は意外と花が少ないもので、開き始めた蓮目がけて一斉に集まってきます。
やはり蓮の花は雨滴をたたえた姿が最も美しいです。


2014071104.jpg
2014/7/7 9:09 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
364mm相当 絞り優先AE(f/3.5 1/2000秒 -1.3EV) WB:6200K ISO:200 ToyPhotoII

羽化して間もないのか、まだ羽根が伸びきらないトンボもじっと陽光を待ちます。
雨上がりは様々な生き物が動きを止めて息を潜めます。
そして「よういどん」でまた生命活動を再開させていきます。


2014071105.jpg
2014/7/7 9:57 OLYMPUS E-M1 + ZUIKO 50-200mm F2.8-3.5 SWD
364mm相当 絞り優先AE(f/4.0 1/400秒 -1.3EV) WB:5300K ISO:200 ToyPhotoII

朝ごはんをもらってゴロンと横になる公園の居候ネコ。
湿気が多いと自慢のヒゲが役に立たなくなるので盛んに顔を洗います。
雨上がりのひととき、何だかホッとするのは人も一緒かな。




だから雨滴は自然であるがゆえに、「不自然」に乱れた濡れ方をします。
ところが、朝露でもないのに丸い水玉が均等に付いた写真を目にすることがあります。
目の肥えた方なら、一見しただけで「演出」と分かります。

朝露なら、朝陽が高くなって陽射しが強くなる前に乾いてしまいます。
雨滴の場合は、雨があがってすぐに強い陽光が射すことは多くありません。
でもこの「霧吹きによる演出」は、陽射しが強い時にでも水滴を作れます。
水滴はレンズの効果を果たし、陽射しを集束して花を傷めてしまいます。

花を撮る人の間では「当然のマナー」であるし、禁止している植物園などもあります。
管理されている、あるいは公共の場所だからやってはいけないこと。
でもそれ以外の場所であっても、相手は生きている植物なんですよね。
花に痛い思いをさせてまで水玉写真を撮るのはいかがでしょう。
早起きして朝露を探しに行けばいいことなんです。

しかもこの「テクニック」は、多くのノウハウ本やネット上にも見受けます。
さらに「写真の先生」のレクチャーでもアマチュアに伝播してしまいます。
洗濯バサミに紐をつけた道具で枝を挟んでは横へ引っ張る。
そうして邪魔な枝などをどかすことも「テクニック」だそうです。
勿論植物は傷み、枯れてしまいます。

そんなことを「先生」が教えているのにはガッカリしてしまいます。
むしろ逆にこういったことはしてはいけませんと教えるのが「先生」でしょ。
でも、フォトコンに入選したい「生徒」の要求に応えざるを得ない
「先生」たちにも事情があるのは確かです。

大切に育てられる花もあれば、雑草だからと刈り取られる花もあります。
全ては人間の事情で決められるもの。
「自然」とは何なのか、よく考えたいですね。

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はんべさん

今回の記事を読ませて頂き 考えることが多々あります
霧吹きのことですが 私も勧められたことがあります
でも する気にはなれませんでした
「水滴はレンズの効果を果たし、陽射しを集束して花を傷めてしまいます」
このことは知りませんでした
教えて頂き 有難いと思っています

「全ては人間の事情で決められるもの」
そのことに関しては 私も悩むことが多々あります
それは11日アップ 
「この心の矛盾との折り合いはどうつけたら良いだろう」に書きました
私はディスプレー写真が好きです
今回のシリーズは 西武ドームの中一杯に花々がディスプレーされています 
それは膨大なものです
開催が終了したなら 廃棄処分になる花々です
ディスプレーのために 人工的な場所で育てられ
切り取られ 開催中は水を得られることもなく 飾られています
そのため 痛みも激しいです
数日間で枯れてしまいます
撮影したいと思う気持ちと花を思う心と・・・・・
悩むことが多かったです

それは以前切り花を撮影した時にも思いました
花屋さんのガラスケースにある花を撮影させてもらいました
ホテルの中にある花屋さんですから高価な花ばかりです
撮影意図が理解出来ないとのコメントのお返事に書いたことを
下記に記させて頂きますね
この豪華な花たちは 温室で育てられ 花屋さんに買われ
ガラスケースの中 綺麗に咲いてはいても・・・・
購買してくれる人がいなければ 枯れる以前に廃棄処分になってしまうのです
豪華であれば ある程 悲しい心地がすることがあります
それを表現したかったのです

今回はアップに書いたようにこう思いました
花の開花
本来は種を残すためでしょう
ディスプレーされている花には その権利は既に奪われている
人間を楽しませる目的のみに存在している

はんべさんのお写真
安らぎを覚えます
いつも私の心を癒して下さりありがとう

香月 りら #sSHoJftA | URL | 2014/07/12 06:47 * edit *

Re: はんべさん

> 霧吹きのことですが 私も勧められたことがあります
自然に咲いている花々に霧吹きで水玉を作るのは、虫眼鏡で紙を焦がすのと
同じ行為になりうることは意外と知られていないのですが、
そういった大切なことは「立入禁止の中へ入ってはいけません」と同様なんだと
もっとPRすべきことだと思います。
でも花は痛いと言わず、ただシミを作られて枯れていくだけですからね。

> 「この心の矛盾との折り合いはどうつけたら良いだろう」に書きました
飾られるために作られた花なのですから、キレイだと思って
カメラを向けてあげればそれで本望なのではないかと思います。
たとえ飾られる前に捨てられても、花屋さんは決してゴミだと
思っていないのではないでしょうか(そう思いたいです)。

そうやって大切に育てられた花ならまだしも、人間の都合で
「雑草」扱いされる動植物も数多く存在します。
しかもその多くがこれまた人間の都合で海外などから持ち込まれ、
繁殖の末に邪魔者扱いされて駆除や除草の対象にされてしまいます。
同じこの星に生まれてきたのに、どうしてこんな勝手の犠牲になるのかと感じました。

そしてふと思ったのは、私たち人間も人間に対して「選別」をしていないかと。
役に立つか立たないかとか、見た目がいいとか悪いかとか、
同じ人間なのに選別されると「雑草」のように扱っていないか。

人間に対しても、花に対しても、「感謝」と「思いやり」が必要だと。
それには想像力がモノを言うのですが、現代人は本を読まないし
手紙を書かないしで想像力が育たないんですよね。

はんべ #- | URL | 2014/07/12 21:41 * edit *
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