かっぱのあしあと

GANREF 飯島裕先生の星景ゼミ その弐 

せっかく機材を出したんだし、
というわけでとりあえず外へ出てみようと言うことに。
それでもまだ濃霧が辺りを覆い、星など全く見えません。
星が見えないとピントも合わせられないし、
北極星が見えなければ赤道儀もセッティングできません。

2013102901.jpg
2013/10/26 22:04 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12mm F2.0
24mm相当 マニュアル露出(f/2.0 120秒) WB:4200K ISO:1600 Natural

しかししばらくすると、ポツリポツリと星が見えてきました。
「あ!あそこに星!」指差す方向を見ると、すぐにまた雲隠れ。
そんな繰り返しをしながらも、徐々に北東の方角から
霧が晴れてきて、昇り始めたおうし座が見えてきました。

ポラリエを「ポーラーメーター」(方位磁石と水準器のセットパーツ)で
簡易なセッティングをし、ぼんやりとした空にカメラを向けます。
露出を繰り返す度に次第に星の数が増え、気が付くと北極星も。
再度北極星を使って極軸合わせをし直します。

2013102902.jpg
2013/10/26 23:18 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12mm F2.0
24mm相当 マニュアル露出(f/2.5 120秒) WB:4200K ISO:1600 Natural
真ん中に「プレアデス星団」、おうし座とぎょしゃ座が登場

そして一時間ほども経ったところで、ようやく感激のご対面です。
夏の銀河は既に西の空に傾いてしまいましたが、
東の空には冬の夜空を彩る主役たちが姿を現します。
こうして星空で季節感を味わえるのも独特な楽しみです。
この頃には外気温はほぼ零度でしたが、寒さを感じませんでした。

待ちに待った満天の星空に一気にテンションマックスです!
辺りでも他のメンバーのシャッター音が響きます。
先生はメンバーの元を訪れては「どう、撮れてる?」と
聞いてアドバイスをして回っています。

いつもなら「たっぷりと露出を掛けて後処理で調整」をしようにも
空が明るいとすぐに露出オーバーになってしまうのですが、
ここは標高も高く空が本当に暗いので、ヒストグラムを
見ながらいつも以上に長い露出を掛けられました。

せっかく素晴らしい空になってきたので、ロケハンで訪れた
「貴婦人の丘」へ移動しようということになりました。
ここは丘の稜線に何本かの木がシルエットになって写ります。
真っ暗な山道を、先生のクルマに同乗させていただいて移動しました。

2013102903.jpg
2013/10/26 1:00 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12mm F2.0
24mm相当 マニュアル露出(f/2.5 30秒) WB:4200K ISO:1600 Natural

お分かりになるでしょうか、地平線の高さまで小さな星が見えます。
光害で霞んでしまう経験ばかりしていると、こんな空を見て
宇宙空間に浮かんでいるかのような錯覚すら覚えます。
この頃には東の空に下弦の半月が昇っていて、地上を明るく照らしています。
しかし空は暗いんです!月明かりあるのに!

2013102904.jpg
2013/10/26 1:08 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12mm F2.0
24mm相当 マニュアル露出(f/2.5 30秒) WB:4200K ISO:1600 Natural
右上に冬の大三角、左にふたご座と木星、その下に月、なんて贅沢!

普通は月明かりがあると、大気中のチリや
水蒸気で拡散して空全体を照らしてしまいます。
でもこの時は、台風が大気中のチリを洗い流し、
さらに標高1800mの上層なのでハンパない透明度だったのです。
月のすぐそばにある小さな星もしっかりと見えます。

なんとM31(アンドロメダ銀河)まで肉眼ではっきりと視認できます。
双眼鏡を使うと、見たことも無いほど大きな広がりも確認できました。
漆黒の夜空に月だけがぽっかりと浮かんで輝いている。
宇宙空間で月を見るとこんな感じなんだねと誰かが言っていました。

もうこうなると寒さも時間も忘れて撮影と眼視で目一杯楽しみます。
この頃になると、カシオペア座付近で流星が流れ始めました。
「撮った!?写った!?」「あ~ノイズ除去中だよ~」

2013102905.jpg
2013/10/26 1:48 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12mm F2.0
24mm相当 マニュアル露出(f/2.5 60秒) WB:4200K ISO:1600 Natural
白樺の木立の向こうに覗くカシオペア座の銀河

木立と月を重ねてみたり、白樺と絡めてみたりと
カメラを移動しながら数多くのショットを繰り返しました。
こんなときはセッティングのしやすいポラリエが重宝します。

そして双眼鏡が大活躍です。
月明かりがあるのにもかかわらず、薄い星雲星団が手に取るように!
私の持参した「ニコン モナーク7・8x42」は倍率を抑え視野の広い
双眼鏡なので飯島先生やオリンパスの小笠原さんにも好評でした。
周辺までクリアでシャープな視界と上に向けて長時間保持しても
苦にならない軽さがスターウォッチングに最適です。

そしてそろそろ東の空に「アイソン彗星」が昇る時間。
今度は八ヶ岳を臨める見晴らしのいい場所へ移動しました。

2013102906.jpg
2013/10/26 3:28 OLYMPUS E-M1 + M.ZUIKO 12mm F2.0
24mm相当 マニュアル露出(f/2.5 40秒) WB:4200K ISO:1600 Natural
真ん中やや右の赤い星が火星、しし座を覆うように黄道光

富士見町の夜景と雲海の向こうから、今度は春の星座が昇り始めます。
赤い光を放つ火星を胸に抱いたしし座が、空を駆け上がります。
この火星の少し下に「アイソン彗星」があるのですが、
月明かりとまだ十分に明るくないので双眼鏡では分かりませんでした。

望遠レンズを使って撮影した先生の画像には、短い尾を引いた
アイソン彗星が写っていましたが、まだ10等ぐらいしかありません。
11月29日の近日点通過後には明るく大きく見えることに期待しましょう。

東の地平線が少しずつ赤みを帯びてきます。
透明度がいいので黄道光も見える空が次第に明るくなってきます。
当初はどうなることかと思われた一夜でしたが、
こんなに素晴らしい星空を堪能できたのは大満足でした。
朝が来るのが惜しいくらい、でもこの頃には冷え込みも強く
足先の感覚がなくなるし、夜の間ずっと立ちっぱなしだったので
ホッとしたとたんに疲れと睡魔が一気に襲ってきます。

朝日を見ようという観光客を尻目に、私たちは山荘へ向かいました。
過去二度のワークショップで楽しめなかった星空が
「百倍返し」で堪能できて本当によかった♪
山荘に着いた一団は、遅い朝食までの僅かな時間を仮眠しました。


まだまだ続きます。
関連記事
スポンサーサイト

[edit]

はんべさん、こんにちは。

いやはや、物凄い写真ですネ!

月と星が共存する写真が撮れるなんて、
思ってもみませんでした。

現地にいなくても、写真を見ただけで感動です。

これなら月夜もイイですね。

そこの場所でも台風一過でないと難しいんですかね?

ブログの続き、楽しみにしています。

TaratarSteak #- | URL | 2013/10/30 03:26 * edit *

こんばんは♪

素敵な写真ですね☆
童話の世界みたい☆
徳之島の空は星がたくさん観えます☆
小さな星までたくさん観えて
こんなに星って多いのか~とビックリします♪
私にも撮れたら・・・いい所にいるのになぁ・・・

春 #- | URL | 2013/10/30 20:33 * edit *

Re: タイトルなし

> そこの場所でも台風一過でないと難しいんですかね?
飯島先生も、オリンパスの小笠原さんも
これほどのいい条件はなかなかないとおっしゃっていましたね。
いかに私たちは普段汚れた空を見ているかと実感しました。

また月そのものもとても綺麗で、双眼鏡でもうっとりする美しさでした。
望遠鏡があればなお良かったのですが。

はんべ #- | URL | 2013/10/30 22:07 * edit *

Re: こんばんは♪

> 私にも撮れたら・・・いい所にいるのになぁ・・・
羨ましい環境ですね。
そんな所なら自宅に天文台を作りたくなります。
こちらでは相当遠くまで行かないと綺麗な星が見られないので大変。
でも今回はホントにいい一夜を楽しめました。

星空を撮るのはとても簡単です。
近いうちにでも記事にしたいと思っています。

はんべ #- | URL | 2013/10/30 22:12 * edit *
Secret

トラックバックURL
→http://kappahanbesuki.blog94.fc2.com/tb.php/746-1f2001dd
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)