かっぱのあしあと

シグマ DNレンズ 試写~其の拾五 

一ヶ月に渡るGANREFによるシグマDNレンズレビューが
今月3日で終了してしまいます。
これまでに様々な被写体を試してきましたが、
どうしてもやってみたかったのが星景撮影でした。

しかし梅雨空に阻まれ、丸くなった月明かりに阻まれ、
結局このまま叶わずに終わってしまうのだろうかと思った矢先、
GPVで7月1日の深夜に何とか雲が切れそうな予報を見ました。
もうこうなったらダメ元でも行くしかない!
就業後一旦帰宅してから支度をしてそのまま出かけました。

目的地は精進湖か西湖、夏の銀河と富士山のコラボ狙いです。
夜半過ぎには月が昇ってくるので時間との勝負。
ところが着いてみると空を覆いつくす雲。
諦めかけたけど、せっかくここまで来たのだからと
山中湖東岸の平野へ移動しました。

しかしこちらも全天雲が覆い、富士山も見えません。
朝まで寝て待つかと思っていたものの、気になって時々空を見ます。
すると日付が変わる前後の1時間ほどの間だけ奇跡的に星が出ました!
急いでポータブル赤道儀「ポラリエ」をセッティング。
まずは富士山にカメラを向けて撮りました。

2013070201.jpg
2013/7/1 23:38 OLYMPUS E-M5 + SIGMA 19mm F2.8 DN
38mm相当 マニュアル露出(f/2.8 25秒) WB:4000K ISO:1600 Natural

山開きしたばかりの富士山頂を目指す登山者の灯りが続きます。
昔はオレンジ色ばかりでしたが、最近はカラフルなLED照明の
おかげでX'masイルミネーションのように綺麗です。
湖上はややガスっていて星の写りはいま一つですが、
簡単なセッティングでここまで写れば上出来です。

さて肝心のレンズの写りはどうでしょう。
射手座の銀河方向へカメラを向け絞りをF2.8開放にしたのと
F4に一段絞ったものを撮り比べました。

2013070202.jpg
共通データ 2013/7/1 23:47&49 OLYMPUS E-M5 + SIGMA 19mm F2.8 DN
38mm相当 マニュアル露出(f/2.8&4.0 30&60秒) WB:4500K ISO:1600 Natural

左が開放で右が一段絞った画像です。
この大きさでは分かりにくいのですが、等倍で拡大して見てみても、
解像感、星像の乱れ、周辺光量などはほとんど差がありません。
星はほぼ完璧な点像であるため、レンズにとっては最も過酷な被写体です。
わずかな収差で星が歪み、周辺減光が一目で分かります。

そのため一般に一段ほど絞った状態で撮影するものですが、
このDNレンズはなんと開放で十分使えるのです。
もっともAPS-C向けのイメージサークルの周辺部を使わない
MFTによる撮影なので有利な点は存在します。

2013070203.jpg
2013/7/2 0:20 OLYMPUS E-M5 + SIGMA 19mm F2.8 DN
38mm相当 マニュアル露出(f/2.8 40秒) WB:4500K ISO:1600 Natural

7月といえば七夕、織姫と牽牛が一年に一度だけ会えるかもしれない♪
その織姫星と彦星に加え白鳥座のデネブで構成するのが「夏の大三角」
天頂付近まで昇ったのでカメラを真上に向け、38mm相当の画角一杯に収めます。
実に小さな星までキリキリとシャープに描写し素晴らしい星像です。

でもこれじゃ星座の形も分かりにくいですよね。
フィルムカメラでは、星がフィルムの感光材の中で滲んで
明るい星が大きく写るのですが、デジタルではそういった現象がなく
明るい星も暗い星も同じ大きさに写るためです。

2013070204.jpg
2013/7/2 0:18 OLYMPUS E-M5 + SIGMA 19mm F2.8 DN
38mm相当 マニュアル露出(f/2.8 40秒) WB:4500K ISO:1600 Natural

そこでデジタル写真では、ソフトフィルターを使って滲ませます。
ケンコーの「プロソフトンA」は適度な滲み具合で人気があります。
微光星も滲んで写りにくくなりますが、明るい星が目立って
星座の形や位置が分かりやすくなります。
また星の色も表現されるので、よりカラフルな映像が楽しめます。

画面の右端にあるのが彦星である鷲座のアルタイル、
上に見えるのが織姫星である琴座のベガで、その間を天の川が流れます。
左に見えるデネブと大きな三角形を形成します。

2013070205.jpg
2013/7/2 0:36 OLYMPUS E-M5 + SIGMA 19mm F2.8 DN
38mm相当 マニュアル露出(f/2.8 40秒) WB:4500K ISO:1600 Natural

再び射手座付近の天の川を狙ってみました。
ここは銀河系の中心方向のため、沢山の星や星雲星団が見えます。
双眼鏡があれば、宝石を散りばめたような美しい眺めを堪能できます。

このように、シグマのDNレンズは星景でも活躍できました。
ただ38mm相当というのはまだ画角が狭いので、できれば
12~14mm程度の広角レンズがあると一層魅力的です。

高い描写能力とともに、幅広い汎用性まで魅せてくれたDNレンズ。
でも明日でレビュー試用期間は終了します。
これで最後の撮影になりましたが、とても楽しかったです。
株式会社シグマ様、GANREF編集部関係者の皆様に感謝申し上げます。


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[edit]

おつかれさまでした^^

はんべさんらしい見事な星景写真をありがとうございます!^^
世界遺産登録の富士山に夜登りの人型と星!最高です^^
例年なら8月あたりでないとなかなか撮れないのでは?と
思われる景色を最後の〆のレビューで今見せて頂けるなんて最高です!
雲やガスの具合も おくゆかしく幻想的で日本の美を感じます。

シグマさんのレンズを買おうかなと思ってらっしゃる方は
はんべさんのレビューで
思わずポチってしまわれるのではないでしょうか?^^
細かい星の描写も見事ですね。

うんと勉強させて頂きました。ありがとうございます^^
おつかれさまでした。

手打ちそば蕎友館 井出明久 #- | URL | 2013/07/02 23:17 * edit *

Re: おつかれさまでした^^

> 思われる景色を最後の〆のレビューで今見せて頂けるなんて最高です!
もうこのまま星景は撮れずに終わるかと思った矢先で、
ダメ元でもいいからと山中湖へ向かいました。
結果的にはこの1時間ほどだけしか富士山も顔を出さず、
苦労して来た甲斐がありました。
梅雨の合間の星空はちょっとほっとした感じです。

はんべ #- | URL | 2013/07/04 19:59 * edit *
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