かっぱのあしあと

GANREFワークショップ~飯島裕先生の星景ゼミ:その5 

星を見る、と聞くと天体望遠鏡を想像しますよね。
勿論望遠鏡は遠くの小さなものを大きく見るのには必要です。
ただ、初心者向けとして売られている小型の望遠鏡では、
せいぜい月面や木星の衛星ぐらいしか楽しめません。

その理由は、視野が狭い、暗い天体が見にくい、そして
ローコストな造りがかえって初心者に使いにくくさせています。
架台と呼ばれる望遠鏡を動かす部分が特にそうで、
ごく一部の高価な自動制御式の架台でもないと初心者は
目的の天体を視野に入れることすらできません。

そこで初心者にお勧めしたい星を見る道具とは、「双眼鏡」です。

双眼鏡というと景色や野鳥などが連想されますが、
星にこそ双眼鏡の特徴が最大限に活かされます。
双眼鏡の特徴とは、視野が広く明るい、コンパクトでかさばらない、
価格も手ごろで種類が多い、ひとつ買っておけば多用途に使えます。
飯島裕先生の愛車の荷室には、いくつもの木製三脚とともに
大小多種類な沢山の双眼鏡も備えてありました。

2013021401.jpg
【画像クリックで拡大】 赤い線は飯島先生のライトです^_^;

双眼鏡は大変種類が多く、選ぶのにも苦労します。
価格的には最低限でも1万円以上は出さないと良く見えないそうです。

双眼鏡を目から離して覗き口(接眼レンズ)側から見ると、
向こう側が丸い光になって見えるのですが、この大きさを「ひとみ径」と言います。
ひとみ径は対物レンズの口径を倍率で割った値でもあります。
(口径50ミリで10倍ならひとみ径は5ミリになります)

人間の瞳孔は暗い場所で最大7ミリほどまで開くとされています。
そのため「ひとみ径」が7ミリなら、対物レンズから入った光が
無駄なく目に入るので淡い天体なども明るく見えます。
ですからひとみ径が7ミリ程度になる7x50(7倍50ミリ)や6x42(6倍42ミリ)
といった仕様の双眼鏡が最も天体を見るのに優れています。

ただしひとみ径が7ミリもあるのは、せいぜい30歳ぐらいまでで
それ以降は徐々に瞳が開きにくくなるため40代以降ではむしろ
ひとみ径が5ミリぐらいになるの10x50(10倍50ミリ)や8x42(8倍42ミリ)
程度の仕様の方が見やすいそうです(ビクセン島田氏談)

また双眼鏡にはポロプリズム式とダハプリズム式があります。
昔からあるゴツイのがポロ式で、かさばる一方で見え味に定評があります。
ダハ式はスッキリとしたデザインにできる代わりに構造が複雑で
反射面が多いので光の損失もあり、像が暗くなりがちです。
そのため天体にはポロ式が向いていますが、ごく最近の製品なら
反射メッキやコーティング技術が進んでおりどちらを選んでも大差ないそうです。

8倍程度の双眼鏡でも、慣れないと見たい天体を視野に入れにくいものです。
その場合には、まず目視で見たいものを凝視しその体勢のまま
双眼鏡を目に持っていくと視野に入れやすくなります。
いうまでも無く、左右の視度の調整やピント合わせ、目幅の調整は怠りなく。

また私が大昔に雑誌で見てから実践しているのが、独特な双眼鏡の持ち方です。
双眼鏡を鷲掴みにして脇を開けたまま使うと視野がぶれやすくなります。
そこで、まず両肘を締めて胸の前に置きます(胸に乗せる感覚です)。
そのまま手のひらで目の横を覆うような形にした状態で双眼鏡を持ちます。
さらに親指で目尻の横の隙間を塞ぐようにすると、横からの光を遮断できます。
肘と手が体と顔に密着するのでブレ具合が格段に減ります。

また星雲や星団のような淡い天体を見る場合、対象を凝視すると暗く見えます。
しかし視野の中で視線をチラッチラッと脇へ動かすと見えてきます。
これは網膜上の視神経の構造によるもので、凝視したものが焦点を落とす部分には
色の認識や解像度の高い視神経が、その周りに暗いものを判別する視神経があります。
そのため、双眼鏡や望遠鏡で暗いものを見るときは視線を動かすと見やすいです。

ところで私が所持する双眼鏡は以前風景用に買ったもので10x25という低スペックです。
この際星を楽しめる双眼鏡が欲しいのですが、何しろ種類が多くて...
少し時間をかけて予算と相談しながら探したいと思います。
いい双眼鏡はまさに一生ものですからね。


次回はゼミの中で伺ったTips集の予定です。
その前にポラリエが届きそうだけど。
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はんべさん、おはようございます。

双眼鏡で星見えるんですね!てっきり天体望遠鏡とかでないと見えないのかと(^-^;
先の星座早見盤も含め値段もお手頃になりつつあるので導入検討しようかなぁ。

タケ #WO.8kER. | URL | 2013/02/15 08:17 * edit *

ありゃ、赤い光が邪魔しちゃいましたね。気づかずごめんなさい。
双眼鏡、私も親指で目尻を塞ぐ持ち方をしています。
ちなみに私の目ではやはり瞳径7mmの方が5mmのものより視野が明るく見えます。まだ若い?

飯島 裕 #- | URL | 2013/02/15 17:49 * edit *

タケさん こんばんわ

届いたばかりのポラリエと隕石落下でちょっとテンションあがってます↑↑
双眼鏡はホント星を見るのに最適なんです。
両目で見るので臨場感満点ですよ。
私も来月決算ボーナスが出そうなので検討中です。

はんべ #jsBW8FAg | URL | 2013/02/15 19:52 * edit *

飯島先生 こんばんわ

隕石スゴイっすね!欠片でいいから欲しい(^^ゞ
でも被害が出たことだし大変でした。
明日の小惑星もぶつからないといいですね。

先生は星をいつも見ているから目がいいんでしょうね。
今更鍛えても瞳孔は広がらないけど
可能な限り明るく綺麗に見えるのを選びたいです。

とりあえず今週末天気が良ければ早速
ポラリエを実戦投入するつもりです。
どうなることやら(^^)

はんべ #jsBW8FAg | URL | 2013/02/15 20:03 * edit *

いつも楽しく勉強させて頂いております!

40代以降ではむしろひとみ径が5ミリぐらいになる10x50(10倍50ミリ)や8x42(8倍42ミリ)程度の仕様の方が見やすい

まさに目から鱗です。こんなお話はなかなか聞けませんです^^

先日の撮影でrohikiaさんの双眼鏡をお借りしてスバルを見せて頂きました。

あんなに沢山見えるものなんですね。初心者の私は感動しました^^

先日のいもむしの正体は未だ謎です^^

手打ちそば蕎友館 井出明久 #- | URL | 2013/02/15 22:41 * edit *

井出さん こんばんわ

双眼鏡は明るくて視野が広いので星が一杯見えます。
星空にも星雲や星団といった名所があるので、
それらを双眼鏡でツアーするのも楽しいですよ。

芋虫ですが、写真データから撮影時間が午後10時半頃。
だとすると人工衛星は考えにくいです。
深夜は地球の影に入ってしまうので光らないんですね。
露出時間が長ければ、飛行機なら点滅するので
点線のような軌跡になるのですが、どうも飛行機っぽいですね。

お使いのシグマのレンズは明るくて良いのですが、
周辺減光やコマ収差が多いのでF:2.8くらいに絞った方が
均一で綺麗な星空が撮れそうです。

はんべ #jsBW8FAg | URL | 2013/02/16 00:12 * edit *
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