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かっぱのあしあと

刺身か煮付けか 

「撮って出し」という言葉をよく目にします。
カメラで撮影した画像を無加工のまま掲載する。
何か新鮮なイメージの湧く言葉です。
また「撮って出し」にこだわる人も少なくはなく、
レタッチやアートフィルターの類を嫌う傾向もあります。

フィルム時代は今ほど画像の加工などの技術は一般的ではなく、
ほとんどの写真は「撮って出し」のままアルバムに貼られました。
露出の失敗などが許されないから撮影時には集中することが必要です。
そんな緊張感を楽しむ意味でも「撮って出し」を好む人がいるようです。

私はというと、(デジタル写真に関しては)逆にほとんど
「撮って出し」というものはありません。
必ず何らかの加工やレタッチなどを施しています。
それは仕事でのブツ撮りでも、ネットオークション用の画像でもです。
勿論捏造などを伴うことはしていません。

なぜ「撮って出し」を行わないか、それはデジタルカメラの
創世記から使い続けているための癖のようなものかもしれません。
創世記といっても、実用し始めたのはメガピクセルを超えた
富士フィルムのFinepix500からで、当時のデジカメは
ダイナミックレンジが狭いために撮影時にアンダー気味に撮り、
レタッチで明るさやコントラストを上げて調整するのが常でした。

ですから今でも撮影時は極力白飛びしないようにアンダー目に撮ります。
白飛びしてしまうとどんな方法でも復旧できないからです。
幸いデジカメはシャドー部が大変耐性が高く、真っ暗に見えていても
調整次第で諧調を起こすことができます。

見たままの「撮って出し」もいいのですが、より印象的な写真にするために
デジタル画像は手軽にホワイトバランスなどを調整できます。
また最近ではアートフィルターなどの画像加工も楽しめます。
こういった画像処理を認めたがらないカメラマンもいますが、
私は積極的に活用してもいいと思っています。

「撮って出し」を例えば生のまま食べる刺身だとすると、
適度な画像処理やレタッチは煮付けに料理して食べるような感じです。
どちらが美味しいかは写真同様個人差もあるし好みの問題ではあります。
私は料理した方が好きだと言うだけですね。

こちらはいわゆる「撮って出し」

2013020701.jpg
【画像クリックで拡大】 2013/2/5 11:04 OLYMPUS E-M5 + M.ZUIKO 14-150mm F/4-5.6
300mm相当 絞り優先AE(f/5.6 1/500秒 -0.7EV) WB:AUTO ISO:200 i-Finish

そしてこちらはレタッチ後です

2013020702.jpg
【画像クリックで拡大】

どんなレタッチをしたかというと、まずRAW画像をOLYMPUS Viewer2で開き、
i-FinishをNaturalに変更、露出補正を+0.3EV明るくし、ホワイトバランスを
蛍光灯(4000K)に、その上でアートフィルターの「トイフォト」を施しました。
さらにJPEG保存した画像を使い慣れたNikon CaptureNX2で開き、
Dライティング(高画質)で+30、コントラストと明るさを+10ポイント上げました。

撮ったままでは曇天下のやや寒々とした雰囲気になってしまいますが、
レタッチによってほのかに明るい春らしい陽気を醸すことができたでしょうか。
このようにレタッチを前提とした撮り方は、生の刺身が好きな方には
邪道のように写るかもしれません。
でもデジタル時代の写真の楽しみ方としてはこれもアリかと思います。

フィルム時代にも、発色などの異なるフィルムを使い分けたり
フィルターワークや現像時の処理(クロスプロセスなど)、
さらに覆い焼きや筆による印画紙への書き込みなどもありました。
ですからデジタルの画像加工を認めない理由にはならないと思います。
刺身もいいけど煮付けも美味しい、それでいいんじゃないかな。
道楽なんだし。

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