かっぱのあしあと

フルサイズまっしぐら 

デジタルカメラには「フルサイズ」と言う言葉があります。
何に対して「フル」かといえば、かつてのフィルム一コマ分に相当する
約36mmx24mmの大きさを基準に「フルサイズ」と呼ぶようです。
今年に入ってフルサイズのセンサーを持つデジタル一眼レフが
次々と登場し、そればかりかソニーからはフルサイズセンサーながら
コンパクトデジカメという異色のカメラも登場しました。

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ニコンやキヤノンはロンドン五輪向けにプロ仕様の高性能タイプ、
続いてハイアマチュア向けの高画質タイプを続々と発売しました。
そして先日来の話題にもなっているエントリークラスにも
「D600」と「EOS 6D」も投入したわけです。
ソニーも「α99」や先述のフルサイズコンデジ「RX1」を発表。

今のところ国内メーカーではこの3社がフルサイズカメラを出しています。
しかし噂では富士フィルムやペンタックスも将来フルサイズカメラを
開発するのではと言うまことしやかな予想が立てられています。
フルサイズに限らず、昨今ではコンデジやミラーレスでも
センサーの大型化が進んでおり、来年に向けてさらに新展開も楽しみです。

さてこれほどまでにフルサイズセンサーが好まれるのは何故か。
言うまでもなく高画質を求めると自然とセンサーが大きくなるためです。
同じ画素数なら面積比で2.3倍ほどもある大きなフルサイズの方が
一画素辺りの面積も広くなり、多くの光を受けられるので
ダイナミックレンジや諧調性、ノイズ耐性も高まります。

また同じ画角のレンズでは前後のボケが大きくなります。
つまり被写界深度が浅くなりマクロやポートレート撮影などでも効果的です。
しかしフルサイズセンサーに対応する大きなイメージサークルを得るには
レンズも大きく重く、高価になりがちです。
カメラ自体も同様で、特に歩留まりの関係でセンサーのコストは
フルサイズとAPS-Cでは数倍もの違いがあります。

それでもフルサイズが流行り出しているのは、多少のコストを
負担してでも高画質でいい写真を撮りたいからに他なりません。
かく言う私は、現在フルサイズのD4、APS-CのD5100、
マイクロフォーサーズのE-PL3、そして1/1.7インチのS100と
全て異なるセンサーサイズのデジカメを愛用しています。
ここへ一週間後にはフルサイズのD600が加わります。

私がフルサイズを選ぶわけも、他の皆さんとほとんど同じで
やはり高画質で画像を残すにはフルサイズしかないと思うからです。
かつてはAPS-CサイズのD300を使っていましたが、夜景撮影などで
ノイズの多さや階調性に難があって新古品のD700を入手しました。
初めて撮った画像を見た瞬間、その「懐の深さ」に感嘆しました。

微妙なグラデーションを持つ朝焼けの空が、D300ではトーンジャンプを
起こして縞模様になっていたものがD700では見事に描かれていました。
また1200万画素とやや少なめにもかかわらず、解像感は非常に高く
もうAPS-Cには戻れなくなっていました。

今日ではセンサーや画像処理の進歩でAPS-Cでも高画質に撮れますが
やはりフルサイズセンサーの画質は全く次元の違いを見せつけられます。
恐らくD600や6Dのような普及機の登場で一層フルサイズユーザーが
増えてゆくと思われます。

2012092102.jpg

それでもコンパクトで気軽に使えるAPS-Cの優位性は残されています。
また同じ焦点距離のレンズを1.5倍相当の望遠にして使えたり
(勿論焦点距離が伸びるのではなく、伸びた焦点距離相当の画角になるのですが)
何よりカメラもレンズも安くて一眼レフの入門用には最適です。
しかしニコンがD3200で2400万画素のセンサーを載せてきました。
APS-Cのサイズでは、せいぜい3000万画素が限界とも言われます。

そうなると近い将来にもAPS-Cは今と全く形や役割を変えるしかありません。
ミラーレス専用になるとか、超高速連写専用になるとか、あるいは
APS-Cセンサーを載せたコンデジも相次いで登場するかもしれません。
すると一眼レフのメインストリームはフルサイズになってゆくのでしょうか。
フルサイズはフィルム一コマの大きさなので、本来の大きさに「戻る」という人もいます。

ミラーレスやコンデジなどにも見られるように、昨年辺りからセンサーのサイズが
てんでバラバラになって統一感がなくなってきました。
1インチあり、マイクロフォーサーズあり、1.5インチあり、APS-Cあり、
そしてフルサイズもあって選択の幅が広がる一方でユーザーは
何が自分にとって最適なのかが見極めにくくなっています。

そこへさらに技術の進歩は「下克上」という魔法も生み出します。
被写体や撮影の方法などでは、フルサイズもマイクロフォーサーズも
見分けが付かない画像が得られることがあります。
現状ではフルサイズが最も高画質なのは間違いありませんが、
3600万画素のD800よりも1600万画素のOM-Dが最適な可能性だってあります。

フルサイズは「懐が深い」と言いました。
しかしもう数年後には画質や価格でセンサーサイズを
選ぶ時代でなくなっているのかもしれません。
ミラーレスはどう出るのか、APS-Cはどう活かされるのか、
むしろそちらの方が興味をそそる可能性も出てきました。

先にも述べましたが、昨年はミラーレス躍進の年、今年は一眼レフ復権の年、
では来年はどんな年になるのか、フォトキナの展示内容を見ても
予想が付かない点では期待と不安が交錯します。

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