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かっぱのあしあと

車内熱中症 

今月の9日、朝のTV番組で人気だった犬の兄弟が
エアコンの切れた車中で死亡したことが伝えられました。
詳しい状況などが分からないので断言はできませんが、
高い確率で高温になった車内での熱中症によるものらしいです。

9頭もの大型犬を一緒に載せるのですから、恐らくワンボックスタイプの
箱型の自動車ではないかと思われます。
こういったクルマは車内の空間が広く窓の面積も大きいため
日光が当たると非常に高温になりやすい特徴があります。
そのため運転席に加えて後席用のエアコンを備えるものもあります。

何よりクルマのエアコンは過信してはいけません。
自動車のエアコンは、エンジンが回る力の一部を利用して
コンプレッサーを回しガスを圧縮します。
そのガスが気化するときに気化熱を奪うのを利用します。

クルマのエアコンにも、屋内用のと同様に室外機にあたる
放熱器がエンジンの前に備えられています。
ちょうどエンジンの冷却水を放熱するラジエーターと同じような
形状をしていて、ラジエーターと重ねられているものが多いです。

走行中は風が前から当たるのでそれだけで十分放熱できます。
しかし停車中は風が当たらないため、電動ファンが回って
風を放熱器に当てることでエアコンを機能させています。
停車中に電動ファンが回ったり止まったりを繰り返す度に
大きな音を立てているのを聞いたことがあると思います。

ところが、外気温が非常に高いときやエンジンルームが
高温になってくると、電動ファンの風でも十分に放熱できなくなります。
するとエンジンの過熱防止を優先させたりエアコンの故障を防ぐために
コンプレッサーのクラッチを切ってエアコンの機能を停止することがあります。

一時間ほどクルマから離れたといいますが、その間にエアコンが
自動停止した可能性も否定できません。
また自動停止しないまでも、十分な放熱が得られなければ
エアコンの効果そのものが低下し室内の温度が上昇してしまいます。

そもそも9頭もの犬を一度にクルマに乗せて移動した目的や
木陰に置いたクルマの中に一時間以上も放置した意味も分かりません。
それなら犬を繋いだ上で全ドアを開けておいた方が
むしろ換気がよくなり熱中症に至ることもなかったかもしれません。
またこういった行動が初めてだったのか、これまではどうだったのかなど
素朴な疑問すら尽きません。

これまでもパチンコ屋などで子供を車内に放置し死亡させた例はありました。
実際に締め切ったクルマの中でエアコンを止めてどれくらいの時間
我慢できるか体験してみるといいでしょう。
あの犬たちや子供たちがどれほど苦しんで亡くなっていったか、
想像するのも痛ましくてたまりません。

まだこれからも残暑が続きます。
夏に限らなくとも、絶対に車内に人間や動物などを放置してはいけません。
そしてクルマのエアコンも過信してはいけません。
昼間の駐車場ではエアコンをかけたまま昼寝をしている人を見かけます。
たとえクルマに乗った状態でも、排気ガスを吸って一酸化炭素中毒になったり
知らない間にアクセルを踏んでしまいエンジンが発火する事故も起きています。

私はと言うと、いくら暑い日でもクルマのエアコンは使っていません。
窓からの風だけで凌いでいます。
そもそも暑さや発汗は苦にならないように毎年体を慣れさせています。
家では除湿+扇風機がメインだし、エアコンに頼っていては
40度を超える作業場での仕事に耐えられませんので(^^ゞ

まぁ、無理をして熱中症になってはいけませんが、
エアコンがなくても過ごせる環境や体質を作ることも必要でしょうね。
ともかく亡くなった犬たちは可哀想でなりません。
二度とこんな悲劇を繰り返さないよう祈ります。

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