かっぱのあしあと

悪しき慣習 

この時期に「高校野球 表敬訪問」で検索すると
日本各地での地方予選を勝ち抜いた高校球児達が
続々と自治体の長の元へ表敬訪問したニュースに当たります。
当たり前の光景のようですが、何かおかしいと思いませんか?

なぜ高校球児が知事を訪ねなければならないのか。
まだ甲子園での試合はこれからなのに、
行ってすぐに負けて帰ってくるかもしれないのに。
何の目的で表敬訪問するのかも分かりません。

知事や都道府県は球児のために何をしてきたのでしょう。
金を出した?球場へ応援に行った?スポーツ振興活動をした?
いずれもノーでしょう。
多少はお金も出しているかもしれませんし、
県立や市立の高校なら県との金のやり取りはあります。

しかし練習や準備に忙しい球児を県庁に行かせる訳が分かりません。
これを機にもっとお金をくださいとお願いしに行ったのでしょうか?

そもそも「表敬訪問」というのは、
相手に敬意を表するために訪ねることだそうです。
つまり地方大会で優勝した球児たちが、県知事に敬意を表すために
わざわざ県庁まで訪ねるのが表敬訪問と言われるものです。
どうせ知事が対面するのなら、当然逆でしょう。
知事の方から学校を訪問し健闘を伝えるものではないでしょうか。

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ところでロンドンオリンピックが始まりました。
日本を発つ前に、代表選手たちもそれぞれの故郷などで
自治体の長へ「表敬訪問」していました。
これも目的がよく分かりません。

そしてもしメダルを取って帰れば、また「表敬訪問」です。
やはりこれは知事の売名行為なのでしょうか。
以前、史上最年少で金メダルを取った女子水泳選手が地元へ帰ったとき、
盛大に凱旋パレードが行われました。
しかしちゃっかり市長が一緒にオープンカーへ乗っていたため
散々ひんしゅくを買ってしまいました。

スポーツと政治と言えば、「国民栄誉賞」なるものもあります。
故人に送られることの多いこの賞ですが、固辞されたイチローのような
現役選手が対象になることもあります。
個人が対象かと思えば、昨年のなでしこJAPANの例もあります。
規定も曖昧で時の政権の意向で選ばれることが多く、
恐らくオリンピックで金メダルを取れば泥舟野田政権が
国民栄誉賞をばら撒くのは目に見えています。

ついでに言うと、メディアにとってもスポーツ選手は格好の素材です。
勝って帰れば各局で相次ぐインタビュー出演が待っています。
そして撮り溜めた映像を繋いでドキュメント番組が一丁上がり。
それらはほとんどギャラが発生せず、只同然の安い制作費で
番組が作れるとあってこんなにオイシイことはありません。
昨年来のなでしこJAPANのようにバラエティー出演も相次ぐでしょう。

TVCM製作でも同様で、有名なうちに使いたいだけ使い倒します。
しかし政権もメディアも、スポーツはそういった自己のために
利用することしか考えられておらず、サポートや振興のことなど
頭の片隅にもありません。

日本ではたとえメダリストでも生活は保障されていません。
ようやくメダルに懸賞金がかけられるようになりましたが、
それも微々たるもので、すぐに使い果たしてしまうでしょう。
海外ではメダルを取ると多額の補助が出たり、年金が支払われることがあります。
日本で同じことをしようにも、「スポーツは金目当てですることじゃない」
などという批判にさらされることが必至です。

個人的にはですが、メダリストには億単位のお金をあげていいと思います。
そして生活に困らず、次世代のメダリストを育てる資金も確保する。
たとえお金目当てにメダルを目指したって、それは正当な目的だと思います。
日本におけるスポーツがどうしてここまで聖域化したのか分かりませんが、
このままでは明らかに大会ごとにメダルの数は減ってしまいます。

スポーツ選手に憧れる子供がいなくなります。
いつかは日本から優秀なスポーツ選手はいなくなり、
有能な子供たちは活躍の場を求めて海外へ出てしまうでしょう。
スポーツを安価で好都合な素材として利用するばかりではなく、
スポーツマンを育てて健康的な国民を作ることは
ある意味で国策のひとつでもあると考えます。

スポーツは練習や試合を通じて人間形成に役立ちます。
あるドラマのモデルになったようにラグビーを通して
いじめや不良生徒を立ち直らせた実例だってあるのです。
オリンピックで勝つ人にも負ける人にも健闘を称え、
大会が終わってもスポーツの素晴らしさを認識することが
本当の意味でのスポーツの祭典の意味だろうと思うのです。

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