かっぱのあしあと

私が富士山を辞めようと思った訳 


まず私が富士山の撮影を始めたきっかけから。
コンデジを使い出してから身近な花や景色などを撮っていたものの、
冬の間は撮るものがない。
何かないかと考えて富士山を思いつきました(2002年)。
しかし当初観光客気分で富士山に対するものの、
周りのカメラマンはどれも大きな中判カメラや一眼レフばかり。
撮影ポイントを知りたくて写真集やガイドブックを買っては、
そこで紹介されるポイントに行くと既に大勢のカメラマンがいます。

その後デジタル一眼レフを購入して撮影を続けるうちに、
毎年平均30~50回も富士山や周辺へ通うようになりました。
そのうちで実際に撮影に成功したのはせいぜい7割程度で、
富士山の撮影にかかったコストは...ちょっと考えたくはないですね。
クルマなども含めると数百万単位になると思います。


富士山は、恐らく日本でもあるいは世界的に見ても
最も多くのカメラマンが撮影している被写体だろうと思います
(近々スカイツリーに抜かれるかもね)。
いわゆるアマチュアカメラマンだけでなく、一般の観光客も含めると
万単位の人がカメラや携帯電話などを向けて撮影しているでしょう。
その理由は、独立峰で周りに障害物が少ない、日本一高いので
遠くからでも撮影できる、幹線道路や市街地などにも近くアクセスしやすい、
様々な方向や位置からそれぞれ異なる情景が撮影できるなどが考えられます。

かくいう私も、こうして「富士の病」などと言われるように
富士山に魅せられた一人ではありますが、これまでに何度も
「もう富士山を撮るのは辞めよう」と思ったことがありました。


静岡県に在住しているので富士山へ行くには大変有利ではあります。
それでも富士五湖方面へ行くには3時間前後はかかるので、
仕事明けに日の出を撮りたいと思うとほとんど不眠のまま
支度をして出かけることになります。
それが例えば田貫湖でのダイヤモンド富士の撮影ともなるとさらに大変です。
明け方に現地入りしていたのでは遅く、仕事が終わったら
そのまま現地へ向かって撮影場所で場所取りをします。
そのまま現地で車内泊をして撮影に臨まなくてはなりません。

最近では星景撮影に向いたカメラを使い出したため、
深夜のうちに富士山麓へ行って星空を撮ることも増えそうです。
富士山カメラマンに多いシニア達の中には、
キャンピングカーを仕立てて一週間以上も連泊する人もいますが、
連休でもない限り日帰り撮影の私には益々富士山への往復が苦痛になります。
40代後半になって、無理のきかなくなった体力が
最も富士山への足を遠のかせる理由です。


富士山撮影を始めたばかりの頃は、行ったことのない場所で
撮影してみたいとか強い欲求に背中を押され頻繁に富士山へ出かけていました。
しかしここ数年前からは、行きたいという欲求といわゆる
「コストパフォーマンス」を天秤にかけてしまうことが増えました。

コストパフォーマンスというのは、富士山麓へ行くのにかかる
交通費やガソリン代、そして消費する体力などに対して撮影して
得られる画像の量やクオリティ、希少性などを勘案します。
例えば天気予報では午前中しか晴れない、朝一の日の出だけを
撮るために山中湖まで行くとどれだけコストや体力を使うかを考え、
富士山撮影を諦めることがあります。
そしてライブカメラで富士山を見ては溜息をつく、
なんていう日が徐々に増えています。
時には、富士山へ向かって走り出したのに途中で行先を変えてしまうことも。

ETC割引があっても、なるべくエコドライブに心がけても、
一度富士山麓へ行けば1万円前後は消費してしまいます。
それで満足できる作品が撮れればいいのですが、結局天候などの
コンディションが悪く不満を抱えたまま帰ることも少なくありません。
さすがに余裕のない収入の中でそこまでリスクを負うのは考えてしまいます。


富士山は大変人気があり、昨今のデジタル一眼レフの普及や
団塊世代の退職に伴ってアマチュアカメラマンが増えています。
しかし富士山を理想的な構図で撮影するには、
意外とその撮影場所はピンポイントに限定されます。
その狭い場所に、時には数十人のカメラマンが殺到すれば場所取りが必要です。
とりわけダイヤモンド富士のような人気イベントの際には
想像を絶するほどのとんでもないことになります。

本栖湖の初日の出では、場所取りのために
前日の昼頃から現地入りなんていうことも。
つまり数分間の撮影のために12時間以上も前から
現地で時間をつぶさなければならないのです。
退職シニアならいくらでも時間は有り余っていますが、
サラリーマンはそうはいきません。
時間の使い方にもコストパフォーマンスに似た天秤がけをすることで、
たとえ年に一度のイベントでも「あっさりと」諦めることも。

そして帰途の車中で「もう富士山は辞めよう」と思うのは、
大抵気分の悪いことに遭遇した時です。
最も多いのはシニアカメラマンの横暴な振る舞い。
以前ここでも書きましたが、観光客に邪魔だと暴言を吐いたり
三脚で展望地を占拠したり路上駐車やゴミの散乱で地元民の反感を買うなど。
私も時にカメラマンの集団に混じることはありますが、
一般客には配慮しているつもりだし、そういったカメラマンを見ては
「あんな風にはなりたくない」と思うばかりです。

またカメラマン同士の「いさかい」も最近はよく目にします。
場所取りのトラブルや写野に入る人への罵声は日常茶飯事です。
春になると桜と富士山が撮れる人気ポイントでもある富士宮の
「興徳寺」の住職が、毎年決まってこの時期のブログでカメラマンの行動を嘆きます。
顔を見ても挨拶はしない、駐車場の看板を無視して上がってくる、
案内をするお手伝いさんに食って掛かるなどなど。
富士山カメラマンは同じ行動範囲なので、いつどこでまた出くわすかわからず、
あまり険悪な行動に出ることはなかったのですが、
最近はカメラマン自体も増えたせいかそういったことも関係ないようです。

そんな光景などを目にすると、自分も巻き込まれたくはないし、
いつか自分が気が付かずに他人を傷つけてしまうことがないうちに
富士山から去ろうかと思ってしまいます。
今年もそろそろ田貫湖でのダイヤモンド富士のシーズンです。
もう何度も通っているし、あの大混雑に巻き込まれたくないし、
この際ゴールデンウィークも近づかないようにしようかな。
次は一体いつ富士山に行くことになるんだろう。


でもそのうち結局また行っちゃうんだろうけどね。
あ~「富士の病」だ。

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