かっぱのあしあと

光を見極める目を 



幅広い作風と多メーカーに及ぶ新機種レビューに関わらず、
桃井一至先生のオリンパスPEN-Fの使いこなしは流石です。
瞬時に設定を変えて見事にワンショットで「作品」を作り上げます。
13名がぞろぞろと同じ建物の中を歩くと、お互いが映り込んだり
するため時間を区切って解散・集合を繰り返しました。
なかなか先生にくっついての撮影ができなかったものの、
最後に簡単な講評会を行ってアドバイスをいただけました。

ネイチャーでは柔らかい光が欲しいので曇天が好まれますが、
スナップ撮影では、やはりこの日のように日光が必要だと。
それは先生の作品や撮影状況を見ると分かります。
被写体の形や色ばかりにとらわれることなく、
まずは光を最優先にして捉えています。

光線の強さ、角度、反射、陰影、色と光のバランス。
これらを瞬時に判断してカメラの設定を決め、シャッターを切る。
ただし手軽に数秒でというわけではなく、十数秒かけて
構図やピントの位置、露出を変えながら数ショットを撮ります。
通い慣れた撮影シーンといえども、光の加減で変わってきます。

珍しい建物を撮るからと、引きの絵ばかり撮ろうとすると
不動産屋のチラシみたいになってしまう。
木々や影、人物などを利用したり思い切った青空の活用も効果的。



江戸東京たてもの園
2017/9/10 14:37 OLYMPUS E-M1 MarkII + M.ZUIKO 12-100mm F4 PRO
24mm相当 絞り優先AE(f/4.0 1/60秒 +1.0EV) WB:5300K ISO:2000 Natural 江戸東京たてもの園

ホワイトバランスは基本「太陽光」
日光を利用しての撮影が多いのと、オートにした場合に
青すぎる色合いになると不自然さを感じるためだそうです。
このシャンデリアは電球の光ですが、太陽光設定から微調整しています。
「色温度は大事だよ」だそうです。



江戸東京たてもの園
2017/9/10 14:37 OLYMPUS E-M1 MarkII + M.ZUIKO 12-100mm F4 PRO
24mm相当 絞り優先AE(f/4.0 1/60秒 +1.0EV) WB:5300K ISO:2000 Natural 江戸東京たてもの園

ピントの位置をどこへ持って行くか。
この建物のガラスは明治時代のままで、現在の製法と異なるために
表面に微妙な凸凹があり、向こう側の景色が歪んで見えます。
向こうの瓦屋根にピントを合わせれば手前の窓枠が暈け、
逆に窓枠に合わせるとこのように景色の歪みを表現できます。
現場ではピントの位置を変えながら何カットも撮っておきます。



江戸東京たてもの園
2017/9/10 12:28 OLYMPUS E-M1 MarkII + M.ZUIKO 12-100mm F4 PRO
24mm相当 絞り優先AE(f/4.0 1/250秒 -1.0EV) WB:5300K ISO:200 Natural 江戸東京たてもの園

建物の撮影で大事なのはきちんと水平を出すこと。
最近のデジカメならファインダーに水準器を表示させます。
わずかな傾きでも違和感を覚えるし、もし傾けるのなら
意図を持ってしっかり角度を出してしまうことが必要。
私の場合、水準器で合わせたつもりでもシャッターを
切るときに傾くのか、この画像も0.67度左が下がっていました。
(レタッチ時に補正しています)



江戸東京たてもの園
2017/9/10 11:22 OLYMPUS E-M1 MarkII + M.ZUIKO 12-100mm F4 PRO
94mm相当 絞り優先AE(f/4.0 1/80秒 -1.7EV) WB:5300K ISO:800 Monotone 江戸東京たてもの園

光をシンプルに捉えるのにはモノクロームが最適。
ただし白い部分が多い(強い)とそこに目が行きがちです。
モノトーンでは白い部分を少なくし、陰影を引き出す。
PEN-Fはこういった撮影がしやすいけど、ちょっと高いんだなぁ^^;



江戸東京たてもの園
2017/9/10 13:54 OLYMPUS E-M1 MarkII + M.ZUIKO 12-100mm F4 PRO
32mm相当 絞り優先AE(f/4.0 1/60秒 -1.3EV) WB:5300K ISO:320 Natural 江戸東京たてもの園

最後の講評会で提出したのがこちらの作品です。
向こう側の緑と光、そして和傘の取り合わせが美しい場所でした。
先生のコメントでは、「絵的にまとまりすぎるので、最も見せたい
場所を強調するなどで個性を出すとよい」とのことでした。
確かにまとまった構図はついそれで安心してしまいがちです。
そこからどう「外す」かも今後のテーマにしたいと思います。

アートフィルターについて。
被写体やシーンによって、その雰囲気に合致するものを
選ぶと被写体の雰囲気を引き出してくれる。
レトロなものならセピア系、カラフルならポップアートなど。
コントラストが強すぎる場合は「ライトトーン」を常用することも。

横位置では余計なものが入る、縦位置では窮屈な場合など
状況次第でアスペクト比を「1:1」にしてみるのもアリ。
望遠レンズでさらにもう一寄りしたい場合にも使えます。


先月単独で訪れた時とは、被写体や光の捉え方、
カメラの設定や撮影の仕方で明らかな違いを感じました。
やはりプロの言葉の的確さや幅広さに触れるのは大切です。
短い時間でしたがとても楽しく貴重な経験でした。
またこういった機会があれば参加したいと思います。



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はんべ  様

一枚目
シャンデリアの表現・・・・
今までのどなたのシャンデリア写真でも見たことがありません
個性あるシャンデリアのお写真ですね
桃井一至先生のお言葉記載して下さり有難うございます
何回も拝読させて頂きますね

りら #sSHoJftA | URL | 2017/09/12 19:29 * edit *

Re: はんべ  様

> 今までのどなたのシャンデリア写真でも見たことがありません
GHQで解体された三井財閥の総帥三井八郎右衛門の本邸にあります。
国内に持ち込まれたシャンデリアでは最も古いものらしいです。
詳しくは「三井八郎右衛門邸」で検索してね。

やはり二度目になるとやや目が慣れたせいか、
見落としの発見や違う角度からのフレーミングができます。
今度いつ来られるか分かりませんが、いい所でした。

はんべ #- | URL | 2017/09/12 21:41 * edit *
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