かっぱのあしあと

盆ボヤージュ 

長野県や山梨県のような盆地地形ではやはり夏は暑い。
安曇野ではこの日36度以上にもなりましたが、
南アルプスの西側へ回って木曽へ入ると一転して
車載気温計は30度を切ってきました。

日帰り浴場を出た夕暮れ、ヒグラシの声が響く森は快適な涼しさ。
「木曽馬の里」へ着き、クルマから機材を降ろすと肌寒さを感じます。
しかし時間が進み、夜半を過ぎた頃から状況が変わります。
そろそろペルセ群撮影の用意をしなくちゃと思った午前0時、
ヘッドランプに照らさせる自分の息が白くなっていました。

そして薄明直前の午前3時過ぎの気温は12度。
さすがに薄着の夏服では耐え切れない低温になりました。
かといってクルマのヒーターに当たる暇はないし、
体をさすりながら東の空が白み始めるのを待ちました。
やっぱり高原の気候は天気も含めて読めません。

今回も、気が付くと夕暮れ19時から薄明が始まった4時まで
9時間も寒い寒いと震えながらずっと立ったままでした。
星を見ている間は睡魔も疲労も感じませんでしたが、
機材をクルマに放り込んだとたんに足腰に激痛が走ります。
急いで高原を降りて道の駅木曾福島へ着く寸前にめまいが襲います。
風呂に入る前から何も飲んでいないので脱水状態だったわけです。
宙が晴れたので、興奮してつい体調を後回しにしてしまいました。


2016081501.jpg
2016/8/11 21:03 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 7-14mm F2.8 PRO(Lee Soft No.3)
14mm相当 マニュアル露出(f/2.8 40秒) WB:3500K ISO:800 Natural 開田高原

この開田高原といえども、夜の宙は必ずしも真っ暗闇ではありません。
地上付近は集落の明かりが漏れてくるし、近くの蕎麦屋の前に置かれた
自販機の光も低空の宙を照らしてしまいます。
季節によってはスキー場の照明もあるし、上空を頻繁に行き交う
航空機の点滅するランプも画像に点線を描いてくれます。
恐らく日本では、どこへ行っても真っ暗闇というのはないのでしょうね。


2016081502.jpg
2016/8/12 1:47 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO(Kenko ProsoftonA)
300mm相当 マニュアル露出(f/2.8 180秒) WB:3500K ISO:1600 Natural 開田高原

秋の星空は、明るい星が少なく天の川も薄いので寂しいといわれます。
確かにそうなのですが、よく探すと見逃せない宝石がたくさんあります。
カシオペア座とペルセウス座の境界付近にある「二重星団」は
私の最も好きな散開星団のひとつ(ふたつかな)です。
それぞれに別の名前を持つ散開星団で、「h+χ(エイチカイ)」とも呼ばれます。

肉眼でも存在は分かりますが、双眼鏡での眺めは格別です。
倍率の高い望遠鏡では見た目が散らばりすぎてしまうので、
こういった対象には双眼鏡が最大限に活躍します。


2016081503.jpg
2016/8/12 3:16 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO(Kenko ProsoftonA)
80mm相当 マニュアル露出(f/2.8 240秒) WB:3500K ISO:1600 Natural 開田高原

前回御前崎でも狙ったハクチョウ座デネブ付近です。
見比べていただくと分かりますが、全体を覆う赤い星雲の写りが違います。
前回は120秒までしか露出できませんでしたが、今回は倍の240秒露出です。
より薄い星雲や星を写したくて、思い切った長秒露出をしました。


2016081504.jpg
2016/8/12 2:58 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO(Kenko ProsoftonA)
300mm相当 マニュアル露出(f/2.8 180秒) WB:3500K ISO:1600 Natural 開田高原

こちらも前回と同じ、おうし座のM45(すばる星団)です。
星星を覆う薄い星雲の写りが今ひとつなのは、レンズがF2.8と
星雲を写すにはまだ明るさが足りないためでしょう。
ちなみにソフトフィルターを使わないと、大きく写っている
明るい星も周りと同じように小さな点にしか写りません。


2016081505.jpg
2016/8/12 0:52 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 40-150mm F2.8 PRO(Kenko ProsoftonA)
300mm相当 マニュアル露出(f/2.8 180秒) WB:3500K ISO:1600 Natural 開田高原

やはり秋の夜空に欠かせないのがアンドロメダ銀河(M31)。
こちらも前回撮りましたが、肉眼でもはっきり確認できるのはさすがです。
こういった小さな対象には望遠レンズでの撮影になるので、
TP-2のような高性能な機材はどうしても欲しかったわけです。
ちなみに今回もポラリエよりTP-2の方がセッティングは楽で早かったです。
逆にポラリエのセッティングをいかに早めるかが課題になってきました。



いわゆる「天体観望会」などといったイベントの告知を見かけます。
主に子供連れや若者などを対象にしたもので、見晴らしのいい場所に
多くの人が集まり、一緒に星や月などを観望します。
また最近では天文ファンが集まるスポット的な場所も増えました。
夜になると遠くからでもやってきては各々で観望・撮影をします。
複数の人々がいると夜でも寂しくないし安心でしょう。

でも私は基本的にそのようなイベントには行かないし、
多くの人が集まるスポットにもなるべく近寄りたくありません。
今回は「木曽馬の里」という人気スポットでもほぼ貸切状態でしたが、
時々はハイビームのまま入ってくるクルマはありました。
2~3分程度の露出ならやり直しが利きますが、数時間に及ぶ
日周運動(星グル)では、ライトに照らされれば一発でアウトです。

だからなるべく他の人がいない、来なさそうな場所を好みます。
時には藪から物音が聞こえたりしますがまったく平気です。
お寺の門前で育ったせいか、お化けや幽霊も無関心だし、
何より一番怖いものが「人間」であることを知ったからです。


次回は安曇野編です。


関連記事
スポンサーサイト

[edit]

(^-^)

素晴らしい星空を観させていただき、ありがとうございます。blog、楽しみで、毎日チェックしています。

ジャズモナーデ #- | URL | 2016/08/15 18:32 * edit *

はんべ様

急いで高原を降りて道の駅木曾福島へ着く寸前にめまいが襲います。
風呂に入る前から何も飲んでいないので脱水状態だったわけです。
宙が晴れたので、興奮してつい体調を後回しにしてしまいました。

記事を拝読させて頂き心配しています
お身体大事にされて下さいね

夏ならではの星空に魅惑 堪能させて頂きました

次回は安曇野編です。・・・
アップお待ちしていますね

りら #sSHoJftA | URL | 2016/08/15 20:25 * edit *

Re: (^-^)

> blog、楽しみで、毎日チェックしています。
ホントにありがとうございます!
毎日更新できなくてごめんなさいですけど^^;

はんべ #- | URL | 2016/08/15 20:43 * edit *

Re: はんべ様

> お身体大事にされて下さいね
一日一食にしてから基本的に調子はいいのですが、
食事で取れるはずの水分などが足りないようで、
気が付かないうちに脱水やミネラル不足になったようです。
意識的にノドが渇く前に水分補給を心がけるようにしました。

はんべ #- | URL | 2016/08/15 20:53 * edit *
Secret

トラックバックURL
→http://kappahanbesuki.blog94.fc2.com/tb.php/1240-d11a574d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)