かっぱのあしあと

TP-2インプレッション 

「赤道儀」という機械は、望遠鏡やカメラなどを
星の動きに合わせて追尾させるためのものです。
昔は本格的なドイツ式赤道儀の大きな天体望遠鏡に
カメラを同架させるという撮影方法が多かったものです。
それはフィルムカメラでは1コマ撮影するのに10~30分もの
超長時間露出が必要なためでした。
(その理由は「相反則不軌」といいますが詳しくはググってね)

しかしデジタル時代になって、露出時間が数十秒から
数分程度にまで大幅に短縮されたことなどもあって
赤道儀に求められる機能や形状なども大きく変わります。
もはや「ガイド望遠鏡」も不要で、むしろ機動性が重要視されます。

TOAST TECHNOLOGY社のポータブル赤道儀は、
同種の製品の中で以前から大変人気のあるもので、
その性能や機能はもとよりデザインや拡張性に至るまで、
今日のポータブル赤道儀のモデル的な存在でもありました。

今回導入した「TP-2」はシリーズ3代目となるもので、
タイムラプス動画の撮影にも適した機能を搭載しています。


2016080301.jpg

初代モデルや社名ともなっている「TOAST」ですが、パンのトーストと
ほぼ同程度の形状とサイズにポータブル赤道儀の機能を凝縮したいという
開発者でもある竹本氏の意向からのデザインネームだそうです。
洗練された美しい筐体は底面が35度の傾斜を持つため、
カメラを搭載したまま平面に立つほどバランスに優れています。


2016080302.jpg

赤道儀はいかに正確に回転軸(極軸)を地球の地軸と並行に
できるかが正確な追尾の重要なファクターになります。
小型の専用望遠鏡(極軸望遠鏡)を使って北極星を目安にしながら
赤道儀の向きを微妙に調整して地軸と平行に合わせます。
TP-2の極軸望遠鏡は大変使いやすく、説明書を一回読んだだけでしたが
現場でそれほど戸惑うことなく極軸合わせができました。

この極軸望遠鏡はM6ミリのネジで簡単に取り付けられるので、
多少の改造やオプションパーツなどで他社の赤道儀にも使えます。
現在、手持ちのポラリエに取り付ける算段を練っています。


2016080303.jpg

赤道儀にカメラを載せる方法は様々です。
「赤緯軸」などと呼ばれるユニットを使うこともありますが、
大きなパーツだし、何より数キロもある「バランスウェイト」という
錘としてしか機能しないパーツも一緒に持ち運ぶ必要があります。

このTP-2で使ったのはBENRO社の「プロテレフォトヘッド」と呼ぶ
ジンバルフォーク雲台で、アルカスイス互換プレートなどと
組み合わせることでカメラ自体でのバランスを実現します。
そのため無駄なウェイトも必要なく、全体のシステムを軽量化できます。

ただしカメラによっては真北に近い方向に死角が出来やすい問題も。
カメラの搭載方法などを考えながら今後の課題にしてみます。


2016080304.jpg

極軸望遠鏡があっても、赤道儀の向きを微妙に動かすのは至難の業です。
一般の自由雲台などではまず不可能で、専用の微動装置が要ります。
この「Dish-2」は、ちょうど三脚の長さを変えるのと似た要領で
3本のネジを回し上に載せた赤道儀の向きを微妙に調整します。

微動装置には上下左右に動かすタイプのものもありますが大きくなりがちです。
このDish-2の方式はシンプルながら使いにくそうなイメージがありました。
しかしこれも現場でいきなり使ってすぐに慣れることができました。
下側の大きなダイヤルで調整し、決まったところで上のダイヤルで固定。
この固定をしないと若干ガタが生じるのが気になります。


雲台を取り除いた三脚にDish-2をねじ込み、TP-2を載せ、ジンバル雲台を
取り付けてそれぞれのネジを締めるだけで組み立ては終わり。
この間、わずか1分もかかりません。
その点ではポラリエを凌ぎ、しかも極軸望遠鏡での操作も非常に
簡便でセッティングのしやすさから言って赤道儀で最も早いと思います。

極軸望遠鏡を使えば、300mm相当の望遠レンズもかなりの確立で
数分間に渡る露出も可能なほど高い追尾性能を持っています。
スピーディで正確、使いやすいというポータブル赤道儀に
求められるスペックを高次元で実現した秀逸なツールといえます。


2016080305.jpg

そしてもうひとつご紹介したいのがビクセン社の天体観測用ライト「SG-L01」
天体撮影には照明が必要ですが、一般のヘッドライトのような
白い光は、せっかく暗闇に慣れた目を幻惑させてしまいます。
赤いフィルムを被せたり、赤い光に切り替えられるものもありますが
一般にヘッドライトはスイッチを入れるといきなり一番明るく光ります。
それから何度かスイッチを押して明るさを落としていくのが多く面倒です。

しかしこのビクセンの商品は、スイッチを入れるとまず1/10程度の
最も暗い状態から点灯し、必要に応じてスイッチの長押しで
明るさを変えられるので目を幻惑させることがありません。
電源は単三電池一本のみ、夜露に強い防滴性を持ちます。
ストラップは三種類に長さを変えられるので、腕に巻いたり
頭に付けたり首から提げるなど様々な使い方が出来ます。

価格的にはやや高価ですが、これまで愛用していたペツルの
ヘッドランプと比べても星景撮影で使いやすく頼もしいツールです。
ただし一般の用途(夜間の徒歩や登山、災害対策品としてなど)には
向いておらず、あくまで天体観測専用なのが惜しいところ。

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[edit]

はんべ様

そしてもうひとつご紹介したいのがビクセン社の天体観測用ライト・・・
それが最後のお写真ですよね
ベルトの絵柄のデザイン とても素敵ですね
宇宙物語がファンタジックに描かれていますね
色調はまるで着物や帯にでも合いそうですね
和がテーマのデザイン 素敵に撮影されていますね

りら #sSHoJftA | URL | 2016/08/04 21:37 * edit *

Re: はんべ様

> ベルトの絵柄のデザイン とても素敵ですね
りらさんにおススメしたいのがこちら。
http://www.vixen.co.jp/product/acc/jewelry/index.html

「宙ジュエリー」と名づけられたシリーズで、度々売り切れになる人気商品です。
都内でも各所で販売されているし、通販でも扱っています。

はんべ #- | URL | 2016/08/04 23:03 * edit *
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