かっぱのあしあと

ドームの一球 

「ハイレゾ」が流行っているらしいですね。
オーディオCDよりずっと高解像度・高音質な音源で、
ネットでダウンロードし専用機器で再生するもののようです。
実際に聴いたことがないので違いはわかりません。
また今後一般化するかも大変疑問で、ほとんどの音楽を楽しむ
人々には明らかにオーバースペックですから趣味的なものですね。

より高解像度で高精細という意味でのことなのでしょう、
オリンパスのデジタルカメラ OM-D E-M5 MarkIIにも
「ハイレゾショット」と呼ぶ新機能が搭載されました。
開発者の話では、限られたセンサーサイズで解像度を上げると、
画素が小さくなりノイズなどの面で不利になるための対策とのこと。

レンズの能力を出し切るための高解像度技術で、センサーを0.5画素分ずつ
一回転するようにずらしながら8コマを高速連写します。
これが如何に大変なことかといえば、1605万画素のセンサーを
0.5画素分動かすのは、東京ドーム内で野球ボール1個分動かすのに
相当するほどの精密な制御が必要なのだそうです!

ただし様々な制限が伴います。
絞り値は開放~F8まで、露出時間は1/8000~8秒の間、ISO感度も
LOW(100)~1600のため、高感度で長秒露出する星景には向きません。
さらに三脚でしっかりと固定し、被写体ブレも許されません。
先日実際に試写してみたのでご覧いただきます。


2015040901.jpg
2015/3/30 13:27 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
34mm相当 絞り優先AE(f/7.1 1/320秒 -0.7EV) WB:5600K ISO:200 Natural

こちらは従来の1605万画素でのRAW画像です。
レタッチをしていないので、やや精彩感に欠けるかもしれませんがご容赦を。
これでも個人的には十分な解像感が得られていると思います。


2015040902.jpg
2015/3/30 13:26 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
34mm相当 絞り優先AE(f/7.1 1/320秒 -0.7EV) WB:5600K ISO:200 Natural

そしてこちらが「ハイレゾショット」モードでの撮影画像です。
RAW+JPEGで撮影すると、6000万画素相当のRAWファイルができます。
それをカメラ内でJPEGに現像した4000万画素相当の画像です。
このサイズではさっぱり違いがわかりませんが、
PC画面上で強拡大すると、富士の山肌や遠景の櫻などに違いを見出せます。


2015040903.jpg
2015/3/30 13:28 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
34mm相当 絞り優先AE(f/7.1 1/320秒 -0.7EV) WB:5600K ISO:200 Natural トリミング

しかしこのハイレゾショットには問題があって、主にブレに関するものです。
カメラのブレは、丈夫な三脚にしっかりと固定し、専用のディレータイマーで
シャッター全押し後に撮影を開始する時間差を設定します。
0秒から設定できますが、やはり2秒以上にしないと確実にブレます。
開発者は望遠やマクロでの撮影では、4~8秒での設定を勧めています。

それでも防げないのが被写体ブレです。
今回も弱い風で櫻の枝先が揺れてしまい、上の画像のようになってしまいます。
スローシャッターでの流れた感じとは違い、ノイズのような写り方です。
こればかりは仕方ないので、被写体の動きをよく見て、動かない瞬間を狙うとか
(ディレータイマーのため難しいけど)、逆にNDフィルターなどでシャッター速度を
遅くし、わざと流してしまう手もあるそうです。


2015040904.jpg
2015/3/30 13:26 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
80mm相当 絞り優先AE(f/8 1/320秒 -0.3EV) WB:5600K ISO:200 Natural

さて肝心の解像度の違いはどうでしょうか。
こちらは通常の1605万画素での画像を600%に拡大して切り出したもの。


2015040905.jpg
2015/3/30 13:35 OLYMPUS E-M5 MarkII + M.ZUIKO 12-40mm F2.8 PRO
80mm相当 絞り優先AE(f/8 1/320秒 -0.3EV) WB:5600K ISO:200 Natural

そしてこちらがハイレゾショットで撮影し、カメラ内で約4000万画素の
JPEGに現像した画像を400%に拡大して切り出したものです。
ここまで拡大すれば違いがわかるでしょうか。
立体的な建造物のような、比較的輪郭のハッキリした被写体では
違いがわかりやすく、遠景の森林などではややわかりにくい傾向です。


果たしてハイレゾショットに向いた被写体は?
案外、マクロ域での静物の撮影などは良さそうです。
一方で風景や夜景では、ブレや動く対象に注意が必要です。
もっとも、ハイレゾでない1605万画素でも十分な高画質です。
限られた条件で限られた被写体にしか使えない
この機能の利用価値はまだよく分かりません。

今のところ、連写のために必要な2秒程度の間に動かないことが条件です。
しかし近い将来には、三脚に固定することなく手持ちのままで
ハイレゾショットを使えるような改良が進む模様です。
そうなってくれれば、ようやく実用性が高まるでしょうね。



【フォトマスター検定 1級:デジタルカメラ分野問題】より 第3~5問

「CCDを搭載しているデジタルカメラで撮影する場合、画面内に非常に明るい
輝点があると、( ア )と呼ばれるその輝点を通る白トビしたスジを画像に
生じることがある。これは、( イ )に起因している。また、この( ア )と
同時に発生することが多いのが( ウ )で、( ウ )は、( エ )ためである。
なお、どちらも( オ )生じやすいとされており、( カ )ことによって
軽減できるとされている。」

問題3 ( ア )と( イ )に入る正しい言葉の組み合わせを(1)~(3)の中から選べ。

(1) ア:ブルーミング、  イ:CCDが受光して電気に変換された信号を
    画素ごとに増幅して転送する仕組みであること

(2) ア:スミア、  イ:CCDが受光して電気に変換された信号を
    列ごとにバケツリレーのように転送していく仕組みであること

(3) ア:ホールディング、  イ:CCDの画素において非常に明るい輝点によって
    生じた反射光が漏れて周りの画素に影響を与えること


問題4 ( ウ )と( エ )に入る正しい言葉の組み合わせを(1)~(3)の中から選べ。

(1) ウ:ブルーミング、  エ:明るい輝点によって画素(受光素子)で
    発生した電気があふれて周りの画素に影響を与える

(2) ウ:スミア、
    エ:明るい輝点によって生じた反射光が漏れて周りの画素に影響を与える

(3) ア:ホールディング、  エ:明るい輝点によって画素(受光素子)で
    発生した静電気が周りの画素に影響を与える

問題5は次回にて。



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はんべさん

はんべさんの記事は本当に勉強にまります
私がそのように撮影出来るわけではありませんが・・・

1枚目
2枚目
3枚目
どのお写真も富士山は綺麗ですね
やはり 日本の誇りですね

はんべさんとお知り合いになれたこと
幸いだと思っています

りら #sSHoJftA | URL | 2015/04/10 21:25 * edit *

Re: はんべさん

> どのお写真も富士山は綺麗ですね
私のようにほぼ毎日富士山を見ているとつい贅沢になっちゃいます。
今日は雲がないとか山頂が見えないなど。。。
でも遠方からの観光客や外国人のテンションの上がり方を見ると
やっぱり富士山のパワーは凄いと感じますね。


はんべ #- | URL | 2015/04/11 20:36 * edit *

ハイレゾについて

こんばんは。ハイレゾショットレポート、興味深く拝見しました。
風景撮影に積極的に使用したいところですが、現状ではかなり
制約条件があるようですね。技術として未完成な状態でしょうが
これをm2に乗せてきたオリの姿勢は大変評価できると思って
ます。「こんなものができたから、まず皆さん使ってみてください、
そのうえで様々な評価を待ってます。」そうして技術の成熟を
はかり、おそらくEM1m2にはより完成されたハイレゾが搭載
されるのでしょうね。大いに期待したいところです。
ところで桜と富士、良い具合に作品が仕上がってますね。
露出を少し切り詰めたのでしょうか、コクのある仕上がりは
勉強になります。

GONさん #HKJnITgI | URL | 2015/04/12 23:42 * edit *

Re: ハイレゾについて

> 風景撮影に積極的に使用したいところですが、現状ではかなり
> 制約条件があるようですね。
とにかく動かない被写体にしか使えそうもないですね。
風景というと木が動くとか水面が動くとかあるから、
どちらかというとマクロでのブツ撮り向きなのかな。

また、相当に拡大しないと差がわからない程度の差なので、
三脚に固定してまでハイレゾで撮る必要もないことが多そうです。

> 露出を少し切り詰めたのでしょうか
雪をかぶった富士山の場合、雪帽子に露出を合わせるのが基本です。
空や櫻に合わせると、簡単に白飛びします。
そのため、後処理しやすいデジタルでは露出を抑え目に撮影し、
PC上でDライティングなどの処理で明るさを調整します。
フィルム時代では、レフ版で光を下から当てていました。

はんべ #- | URL | 2015/04/13 22:48 * edit *
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