かっぱのあしあと

杉山が危ない 

昨日の記事で書きました通り、先日の台風15号は
市内のあちこちばかりでなく広い範囲で木々をなぎ倒しました。
この駿府公園の倒れた木は「ヒマラヤスギ」という種類で、
大きさから想像して樹齢は40年くらいはあるでしょう。

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よく見ると大きな木の割りに根の張り方が少ない、
また根も細く深くまで張っていませんね。
一方で被害を受けなかった広葉樹などは
太い根が広い範囲に張っていて、びくともしていません。

日本の森林、特に北海道や沖縄を除く地域では
この杉がかなりの割合を占めています。
これは戦後の木材需要を満たすために急きょ植林されたもので、
森林面積の3割を占める杉や檜の9割が戦後の人工植樹だそうです。

時々山の方へ行くと、山のほとんどを埋め尽くすように
杉の木が生えていますが、これらは人工的に植えられたものなのです。
戦後植樹された杉が4~50年経って大きくなったものの、
今度は国内木材の需要が減って放置されてしまいました。

安価で良質な輸入木材に押され、林業を支える人手が減りました。
本来は間伐して日当たりや生育を管理するはずの林野が
放置された杉の巨木で埋め尽くされてしまいました。
こうなると杉は弱ってしまい、生存本能を働かせて
過剰な花粉を放出しては花粉症の問題を起こしています。

それにとどまらない問題もあります。
先の台風12号での豪雨被害で「土砂ダム」が形成されました。
山肌が崩れ落ちて川を塞ぎ、決壊すれば大規模な
土石流を起こしかねない恐ろしいものです。

こういった土砂災害がここ最近になって目立つようになったのも
杉山にまつわる問題があるといわれます。

上の写真のように杉の木の特徴として、根が細く広範囲に張りません。
ブナなどの広葉樹の多くは幹と同じくらい太い根が深く広く張ります。
そのため大量の土を確保し、高い保水力と強い土石流耐性が生まれます。

ところが根が細く深くまで張らない杉は保水力も弱く
簡単に土石流を起こしてしまう脆弱性を持ちます。
日本の森林の多くをこの杉が占めたこと、
さらに林業関係者の減少で手入れが行き届かないことから
杉山が荒廃し大雨に弱い山になってしまったのです。

今から杉山をどうしよにも、せいぜい少しずつ
花粉を出さない木に変えていくぐらいしか手がありません。
ましてや現状の杉山を手入れして本来の姿にするのは不可能です。
今後も大雨が降れば土砂ダムの恐怖や山間地の孤立が懸念されます。
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